セクシャルマイノリティのカップルが家を買うのは無謀だろうか。

自由に暮らせる家が欲しいと思った

二人で暮らせる家が欲しいね、という話で盛り上がった。保護猫の譲渡会と猫カフェに寄った日の夜のことだ。猫とパートナーの家に帰る毎日、素敵じゃないか。


自分の部屋で猫を飼うことも考えてみた。飼えなくはないけれど、賃貸の規約がいろいろと気にかかる。変に改造もできないし、匂いがついたら実費弁済せよ、などきびしい文言が契約書には書いてあった。いままで、あまり深く考えずに賃貸契約をしていたんだなあ。


恋人が、ネットの住宅検索サイトで探して教えてくれた。それなりに買えそうな家がある。自分はずっと賃貸派だったので、家を買うなんて発想がなかった。調べてみると、家賃を払う感覚で、確かに家が買える。買ってしまえば、その家は自由にできる。キャットウォークを作ってもいいし、書斎を作ってもいい。私たちが私たちの需要に応じて、好きにして良い家。


ただ、ハードルがある。通勤にあまり不自由しない範囲で、自分たちが希望する規模の家を建てようとすると、一人でローンを組んで買うのでは予算が足りない。二人の収入を合算してローンを組む必要がある。セクシャルマイノリティ界隈では、結婚をしていないカップルが2人でローンを組むのは極めて難しい、という話がされていたのは知っていた。いちおう、みずほ銀行が渋谷区の同性パートナー制度の対象者をローンの審査で受け入れているというのはちょっと知っていたけれど、札幌のパートナー宣誓制度はそれの対象外。


そんなわけで、私たちが私たちらしくローンを組めないか、というのが、今の私たちの大きな興味の範囲である。

 

結婚という選択肢について

私たちカップルは、FtXとMtF。戸籍上は今の所異性なので、やろうと思えば結婚ができる。でも、結婚という選択肢はとりたくないと考えている。理由は幾つかある。


一つは、結婚の届にある「夫になる者」「妻になる者」という表記への抵抗感。これを今の性にこだわらない方に記載できるのならばいいのだけれど、おそらく戸籍性に基づいて夫と妻が振り分けられる。それは嫌だと思う。


もう一つは、お互い、積極的に相手の姓になりたいというタイプではないということがあった。何より面倒くさい。絶対に姓を変えたくないとまでは思わないけれど……。


次に、いずれ私が性別再判定手術を受けた際に、結果として離婚が必要になってしまうので、とても無駄感+不条理への怒りを覚えるということ。二人とも戸籍上女性で婚姻関係を維持できるなんて状況は、夫婦別姓以上に今のところまだハードルが高いと思う。


でも調べてみると、結婚というのは低コストで多様な権利をパッケージした便利な制度なのである。ただ届けを出すだけならば、かかる費用は戸籍謄本(または抄本)を発行する手数料くらいじゃなかろうか。


そして、いざ結婚してしまえば、その二人は他のどの親族よりも最優先の関係になる。

 

まだ、家を買うには道のりは遠い

ひと段落ついてからブログの記事にしようかと思ったけれど、それを待っているとどんどんやっていったことを忘れてしまいそうなので、まだ大した成果も出ていないけれど、とりあえずスタートの気持ちをブログに公開することにした。


はやく猫と恋人とまったり暮らしたい。そういう日が来るよう、頑張っていきたい。